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長倉祐好氏と新井満氏について
機縁あって長倉先生のパステル画が入荷しました。1976年頃からの作品群です。
現在、状態を確認しながら経年変化でリスクに曝されている作品にはメンテナンスを行っています、きちんとした状態になった作品から順次、このページに掲載していく予定です。(50号から小品まで)
「線はないが、おそらく線らしいものがある」といった境のない朧気な表情が、従来のパステル画とは一線を画しています。そして、どうやって彩色したのか、パステル粉の微細な粒がみっしりと手抜かりなく敷き詰められ、まるでシルク版画のようにさえ見えます。 作家の井上靖氏が「画家の詩人」と評されているとおりの精神性が、私のような素人にも惻々と伝わって参ります。 是非 ご期待下さい。
「千の風になって」の新井満さんが、1976年に発表した組曲「月山」があります。ユーチューブでもアップされているのでご存じの方もおありかと思います。その「月山」の楽曲が流れる折りの青いイメージ背景画こそ、長倉祐好氏のパステル画なのです。(https://www.youtube.com/watch?v=cLJUlp6Y1Ls)
長倉祐好氏と新井満氏は、ともに小説「月山」で有名な作家の森敦氏と知遇を得られています。新井満氏の組曲「月山」の淵源について、詳しくは「森敦資料館」http://www.mori-atsushi.jp/i-053.htmlをご参照ください。素晴らしい内容です。
私も考えに迷うとき、このサイトを訪れては森先生のインタビュー記事に幾たびか激励をいただいています。サイトの運営者には心より感謝です。
追記
本日2021年12月4日のニュースで、上記に掲載した新井満氏の訃報が流れました。昨夜までは新井満氏に適うことであれば長倉氏のことを教えていただきたいと、本文を書きながら願ってもいましたのに・・・。ご冥福をお祈り申し上げます。
この際、最初に掲載する長倉祐好パステル画は、新井満氏を追憶し、「想い出の源流」(月山より)370×640㎜とすることにしました。