額づくり
モールディング額の製作を工房にておこないます。
当店工房にて額縁製作に必要な設備を構え、既成品以外のオーダー品も承ります。
額 装
当店は保存に配慮した素材を使用しています。紙作品の支持体劣化は、接する構成材料にも依存します。マットは、中性紙は当然として黄変しやすい蛍光染料を含まないエコノミータイプ、接触しても劣化因子が移行しないコットン素材タイプを使用。裏板から侵入する湿度は酸化物質移行の劣化やカビ発症の一因です。(参考例:リンク)
フレームでは、ミューズ社スーパーバリアシート(PAT合格)を必要なすべての額装品に設置しています。
エストデザインベベルRマット
ボタニカル(植物画)用のマットデザインを「工房エストest」より継承し、一般デザインとともにご提案しています。
独特なR形状がやさしい視覚効果を演出します。
レーザー加工とアクリルスタンド
コストを抑えたい小型作品ならではの展示やプレゼントに、新しいバリエーションをご提案。
当店オリジナルの壁掛けとテーブル展示を兼ねる「スタンドハング」は展示会場でのすばやい設置が可能です。
すっきりとしたクリアな鑑賞性を持ちます。
ご要望に応じ、レーザー機によるマットへのごく浅い刻印で、華やかさ・愛らしさの演出加工も承ります。
小型作品への新しい提案:ボードへの飾り枠刻印例。ほんのりとした茶系の色味になります。お持ち込みデザインによる図柄刻印も承ります。
レーザー加工機によるマットボードへの図柄・テキスト・ロゴなどの刻印を行います。
一般的なマーブルテープ貼りやライン入れ、絵具入れも承ります。
カラーインクは褪色しやすいため、あまりおすすめしていません。
中間材について・・・マットボード
・マットボード
作品に直接触れるマットボードの選択は、使用目的に沿った素材をお選びしています。長期保存用のマットといえども、カビは発生します。また永続的な安定が保証されているわけではなく、自ずと経年劣化していきます。定期的なメンテナンスが大切な理由です。設置当初は中性紙品質であっても次第に酸性紙化に振れていきます。これは作品側からの劣化因子の移行で侵される場合や裏板側からの劣化因子で侵される場合、そして繰り返される温湿度変化によるストレス、光などいくつかの要素があります。
・作品止め・・劣化因子を含まない素材を使用しています。
美術館レベルの作品止めにはテープは用いません。修復現場で用いられる安全な糊を精製水を用いてつくります。これを相手の紙質によってPAT試験(写真活性度試験)に合格した安全な紙や、挿入法(特種東海パルプ社)により安全が確認されたコンサベーション紙(ピュアガード紙など)および素性が明らかな和紙に付してヒンジします。
また直接作品に触れたくない場合はコーナーをつくりこれで止めます。
コーナーに用いる素材(例/スーパーバリアシート:ミューズ社・コンサベーション紙など)
一般的な作品止めのテープは、フィルムプラスト(独ネーシェン社) ポリエステル製品(Rジュール社)や和紙テープを用いています。
・裏板・・透湿性の少ないものをお勧めしています。 ポイント:水は乾いた方へ移行します。
当店では木製板の使用をお勧めしていません。仕入れ既成品の場合であっても、必要な場合はお取り替えをしています。
木製素材品は吸湿性と透湿性があり、内部因子のリグニンを加水分解させて作品側に移行して劣化させます。
当店では裏板素材として2種類を扱っています。一つはアルミ箔で両面からカバーされた額装スチレンボードで、透湿を抑制し、温冷熱を遮熱することで結露を防止します。また空気層が温度変化の緩衝材として機能します。
従来の木製裏板の場合、窓のある壁面では外気温と室内温度の差で結露(湿度)が生じ、より乾いた額縁内部の紙作品にまで湿度が侵入しやすく、カビやシミの発症因となります。こうした水分移行を遅らせる素材を採用しています。
もう一つは、中性アーカイバルボード(中性の硬質ダンボール)です。結露の心配のない一般的な空間におすすめしています。素材の空気層が断熱効果を有していますが、急激な温度変化に追従しやすい傾向があります。また、この場合は、紙製品のため透湿性があるので、水分移行を遮断する安全な素材を設置します。
・裏板固定・・当店ではトンボ止めを推奨
テープで本体と裏板を密閉する方法もありますが、いくつかの理由から採用していません。
理由その①、そもそも気密テープ以外は通気性があり、無役です。さらに、ユーザー自身がメンテナンスのために、開封しにくい構造はさけるべき、と考えます。
理由その②、古い作品に限らず、微量のガスを放出しています。また木部からもガスが放出されています。これらを外気に逃がすため、ある程度の空気環流は必要です。
理由その③カビやシミの発生の必要条件は湿度ですが、作品に接する素材こそが十分条件です。
作品に接する素材の親水性が少ないほど、作品の吸水量が少なくて済み、カビ発生速度をおさえます。
作品に接する紙製品に水分を吸わせる考え方は真逆で、より乾いた作品側に水分を移行させ劣化を促進させます。したがって、親水性が極力少なく、接していても劣化因子を持たない素材で作品をカバーすることが優先課題です。湿度の高い地域や展示場所では接触素材への注意が必須です。
・緩衝材・・劣化因子と透湿性のないものをお勧めしています。
作品に直接触れる場合いは、透湿・保湿性ゼロのスーパーバリアシート(ミューズ社製品/PAT合格品)を設置します。また裏板が木製の場合は必ずこのシートを設置するよう心がけています。
裏板からの劣化因子と湿度を理想的にブロックします。また、自らはこれらに侵されることがないため、作品に及ぶこともありません。(※スーパーバリアシート15年の実力参照)
紙製品の緩衝材では国産コンサベーション紙(SHCペーパー ピュアガード AFプロテクトなどのピュアブランド品)がありますが、透湿・保湿性を有するため、これらを用いる場合はスーパーバリアシートなど透湿対作品を必ず設置しています。
フォクシング(カビ)参考例①
ボタニカル水彩画 紙:アルシュ
フォクシング(カビ)参考例②
版画 紙:ベランアルシュ
紙の劣化は、様々な要因が複合的に重なり発症します。当店にメンテナンスで持ち込まれる中には、すでに手の施しようのない作品もありました。劣化速度を遅らせる、予防技術の研究に勤しんでいます。
低反射ガラス取り扱い店
Ultra Vue UV70
映り込みを感じさせず、視認性に優れたガラスで、継続的に70%のUVをカットし続け、紫外線による劣化から護ります。
植物画作品の質感がありのまま伝わります。
写真など複数のアイテムをまとめる場合、図面作成から入ります。
この時、PCモニターでカラーリングや空間マージンなどもシミレート。
ブックマットの推奨
二枚の中性マットボードを継いで、間に作品を挟むように構成したもの。
構成材料は保存適性品であり、作品に接触劣化を招かないものを採用。
構成品素材
ANSI合格品
PAT合格品
Rising Mat およびラーソンジュール製品 ほか安全が見込まれる素材