マットボードの定期的なメンテナンスは、大切なコレクションの寿命を延ばします。
気になる時は、お問い合わせ下さい。 フレーム 0475-73-4549
マット表面に湿気が及び、カビが発生。アクリルは熱移動しにくいため、表裏に温度差が生じ、結露しやすい素材です。室内の温度変化が大きい場合や、元々湿度の高い空間の場合は、注意が必要です。(植栽や石油ストーブは湿度を高めます)結露水はマットボードが吸湿しています。
紙製品の酸性紙化は不可避で、作品に劣化が及ぶ前の対策が必要です。中性紙であっても、接触している相手から劣化因子が移行していくことで劣化が始まります。
額装の構成材料の劣化要素には裏板・当て紙・テープ・マットボードなどがありますが、素材の劣化による変色は接触物に移行します。ほか、空調環境や光、虫といった劣化の促進要素もあります。
ミューズ社「スーパーバリアシート」は額縁の背面からの湿度対策を図ると同時に作品を劣化要素から護る必需素材です。当店では必要な全ての額装に設置しています。資料保存の安全指標であるPAT試験合格素材です。
中性フィルム素材で、強酸・強アルカリに長期間接触していても自ら劣化しないばかりでなく、接触している紙資料にも安全で理想的な素材です。
より安全な保護タイプのブックマット形状をおすすめしています。
作品止めには、スーパーバリアシートを加工して設置する場合もあります。
当店は、劣化の速度をいかに抑え込むか、という課題に対して積極的に取り組んでおり、安全な素材を額装の構成材に採用しています。
■通常アクリル板 厚み:2ミリ 3ミリ
■一般的なガラス 厚み:約1.5〜2.5ミリ
■保存額装用アクリル板(※)(紫外線カットおよび低反射仕様) 厚み:2ミリ 3ミリ
■Tru Vue紫外線カットガラス(低反射仕様)厚み:約2ミリ
ガラスや傷ついたアクリル板のみの交換も承っています。
ガラスは傷つきにくく、伸縮もほとんどなく、設置後のクリーニングも容易です。しかし、地震や移動時の落下による破損は、身体やガラスのみならずフレーム枠や作品へもダメージが及びます。これは、額縁構成材料の重量が必要以上に重いため、起きやすい印象があります。また、紫外線の透過率が高く、作品の色分解のみならず、支持体の劣化を招きます。
物理的な視点からは、結露の対策が必要です。ガラスの熱伝導率はアクリル板に較べて大きいです。しかし、この差を夏場や冬場の室温や外気温度は簡単に凌駕します。このため、温度差がある部屋では作品との間に空間(空気層)を確保しておかないと、結露でマットや作品にカビを発症させる原因になります。ガラスおよびアクリル板が作品に直接的に触れるような額装は避けるようにしています。
フレームではマットボードやガラスの交換も展示空間を考慮しながらアドバイスさせていただいております。