蝶々(昆虫)の額装例
既存額縁(展示台設置タイプ)から壁面展示タイプへの変更依頼の実施例です
重量が12kgもある実に堅牢な額縁です。これを壁面展示用にコンパクトに変えたい、とのご要望でした
作業工程概略 スペーサーの組み上げ
①額縁の内側に設置する立ち上がりを組み上げているところです。
②この後、塗装をかけます。塗装は下地処理が大切で、手を抜くと仕上がりにそのまま現れてしまいます。
作業工程概略 壁面の組み上げ
①額縁の外側に設置する立ち上がりを組み上げているところです。
コーナー留めをビスで決めます。高さが50ミリ、厚みも持たせる意味合いからしっかりと組み上げます。
②L型金具の取り付け位置に、金属の雌ねじを埋め込みます。これは化粧額を正面から被せたり、外したりする場合のネジになります。
※この額縁は正面から化粧額をかぶせたり、外したりする構造です。絵画作品などは裏板で開閉を行いますが、今回は蝶々が開閉のたびに逆さになり、崩れるリスクがあります。蝶々を目視しながら正面の化粧額を脱着する構造です。
作業工程概略 底板の制作
①内側底板には10ミリ厚のごく軽量な材料を用います。そして10ミリのコルク材を埋め込むよう四角にくり抜き、その後に塗装します。塗装材は水性ですが、底板は反りを起こさない材質です。
②コルク材を内側底板に埋め込みます。ここに蝶々に差したピンを差し込んでいきます。
③底板と外側の耐水ボードとを接着させます。底板の後ろにあるブルーで囲われた材料が耐水ボードの2㎜品です。
作業工程概略
①底板 内側スペーサー 外側立ち上がり材の3点をセットしています。
作業工程概略
①蝶々を目標のコルク材に差しているところです。
各々の名称を記述したキャプションも糊つけしています。
作業工程概略
①正面の化粧額を本体に被せたり、外したりしているところです。
本体と接続させるための黒色のL型金具が見えます。
このように本体を据え置いた状態で脱着し、後日必要が生じた場合のメンテナンスも容易になります。
作業工程概略
①正面の化粧額を本体に固定しているところです。
あらかじめ埋め込んでおいた金属の雌ねじに、専用のネジで締め付けているところです。
こうして、化粧額と本体とを一体化します。なおこのネジは額縁の天地側に設置してあるため、飾った時には横からは見えません。
設置完了
コンパクトになり、重量も約2kg未満になりました。
フレームではいろいろな設備機器を用いて、従来技術以外の手法も積極的に採用しています。
限りもありますが、可能な範囲で額装などを手がけています。新たなご依頼がどういうものか、悩むのも楽しい仕事です。